ショートフィルムとWebサービス⑨〜ドローンとVRのハナシ。その3〜

こんにちはkuboba-です。
ショートフィルムとWebサービスに関する連載、第9回目は前回から引続き「ドローンとVRのハナシ。～その3～」をお送りします。
今回は「VRカメラについて」と、「VRの今後について」です。

実写としてのVR

昨年（2016年）は「PlayStation VR」や「Oculus Rift」といったゲーム等でCGを利用したVR機材が注目されました。一方で現実の風景である「実写」でのVRコンテンツも多数登場しました。

・googleストリートビュー
手軽に体験できるVRコンテンツ、スマホをVRゴーグル代わりにして「仮想現実」気軽に楽しめます。

・YouTubeバーチャルリアリティー
こちらも手軽に体験できるVRコンテンツ、設定変更より「2D」→「3D」→「アナグリフ（赤と青のフィルターで3D表示する）」などいろいろな表示ができる。

・NHKドキュメント72時間「北アルプス天空のテント村VR映像」
昨年、NHKのドキュメント７２時間という番組で取上げられた「北アルプス天空のテント村」放送回のコンテンツ、テント村までの道のりをVRで撮影したもの。山道を登りつつ360°の風景を見渡せる。

この様に実写についても「仮想現実」の精度が高まりつつあると言えます。

VR撮影について

このようは風景を「実写」するにはどの様に撮影しているのでしょうか？
主に以下の方法で撮影されます。

（１）複数台のカメラを360°見渡せるように配置し、カメラを同期して撮影する。その撮影データをソフトウェアでステッチ(映像を張合わせる)する。
（２）なるべく広角（見える範囲が大きい）のレンズを使用して球面状（だいたい270°～）で撮影できるようなカメラを使用する。

おおよそ業務（放送）用途では（１）の方法、コンシュマー用途では（２）の方法が用いられます。

VRカメラとソフトウェア

それではどの様なカメラを用いられるのでしょうか？

・freedom360
「GoPro」という業務用から一般用まで幅広く使用されるアクションカム（小型軽量、防水のウェアブルビデオカメラ）を６台装着できる専用マウント、これにより全方位撮影可能となる、また全カメラの給電、同期撮影が可能となる。

画像流用元（http://freedom360.us/wp-content/uploads/2013/04/Freedom360_wo_caps_v508.jpg）

・RICOH THETA
2枚の魚眼レンズを使用し、全方位撮影可能したパノラマカメラ、小型軽量ながら高性能で使いやすい、細かなアップデート行っているので今後の機能充実が期待できる。

画像流用元（https://commons.wikimedia.org/wiki/File:RICOH_THETA_FRONT.jpg?uselang=ja）

このようなカメラで撮影された映像は「正距円筒図法」という全天球写真となります。正距円筒図法とは全天球を縦横比１：２で表示させる技法です。これによりVR表示させる画像処理の計算が安易になるというメリットがある様です。

正距円筒図法の写真例　© TamDennIsTHE 2015, CC BY-SA4.0.

それを素材としてKolor社Autopanといった専用ソフトウェアや最近はAdobe PhotoshopやPremiereを使用してステッチすると全周囲が見渡せるVR画像となります。

VRの今後

前回、お話したとおりVRは「枯れた技術」です。もちろん家に居ながら世界旅行を体験したり、各種の職業訓練シュミレーターとして使用される事でしょう。
今後の課題としては「音」つまり、360°の視点変更により「音場」も一緒に移動する技術とか、ロボティクス工学と融合して遠隔地医療や危険作業を行う等、さらなる発展が期待されます。

さて、3回に渡った「ドローンとVRのハナシ」はココまでです。
次回は、「ショートフィルムとWebサービス」連載10回記念企画として「初めてのシネマカメラ選び」と題して、中野ブロードウェイの「あのショップ」を訪れる予定です、お楽しみに！！

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