ショートフィルムとWebサービス③~監督TOOWA Ⅱインタビュー~
こんにちはkuboba-です。
ショートフィルムとWebサービスに関する連載、第3弾目の今回は、
世界各地のフィルムフェスで活躍されているTOOWAⅡ(トウワツー)監督へのインタビューです!
TOOWAⅡ監督が、映像制作を始めたきっかけやフィルムフェスへの出演に至るまでの経緯など、様々なことを聞きました。
映像制作をはじめたきっかけはVJがきっかけ
kuboba-
そもそも、どの様なきっかけで映像制作を始めたのですか?
TOOWAⅡ
元々ストリートダンスをやっていたのですが、僕のダンスの師匠が、ある日クラブで映像作家とコラボするイベントがあるというので、遊びついて行ったんです。
そのクラブに行って、 パフォーマンスをしていたVJに出会ったことが映像制作を始めるきっかけとなりました。
kuboba-
「VJ」とはどの様な事をする人なのですか?
TOOWAⅡ
クラブでの「DJ」はよく聞きますよね?
場の雰囲気から選曲してかけたり、曲をミックスしたりするのが「DJ」。
「VJ」は、クラブのスクリーンにDJの音やフロアの雰囲気に合わせて、即興で楽器を操作するように映像を流す人のことです。
kuboba-
なるほど。DJと違って、VJは主に映像を扱うのですね!
TOOWAⅡ
はい。
それで、元々映画が好きで、映像を撮りたいなと思っていたので、その時のクラブVJに話しかけてみたんです。
「僕、映像作りたいんです!」と。
そしたら、その人が「ひとまずMac買ったら電話してきて!」と言ってくれたので、
Macを購入した後、本当にその人に電話してみたんです。(笑)
…その後は、スタジオに連れて行かれて、
映像制作に必要なソフトの簡単なレクチャーを受けました!
これがVJを始めたきっかけですね。
kuboba-
VJから映像制作のキャリアが始まった訳ですね。
VJからどのようにして、ショートフィルムを制作しようと思ったのですか?
とにかく映像を作ろう!それがフィルムフェス参加につながりました
TOOWAⅡ
クラブ VJをはじめてからは、ロックバンドやダンサーなどのショー演出の映像制作をする様になりました。
ある時、イベント会社からVJの依頼があったんですが、結局ダメになってしまったんですよ。
ダメになった理由は、「ステージ上でVJをするのが、NG」
ということでした。
これまでステージ上でDJと並んでVJplayをすることが多かったのですが、 その模様をyoutubeにUPしていて、それをイベント会社の方が見てくれた様です。 自分としてもそれが個性を見せる上で重要な事だと思ってました。 しかし、それがNGの原因となったのです。
このことが今後を考えるきっかとなりました。 このまま突き進んでVJである自分を前面に出すのか? それとも方向転換して裏方の存在で行くのか?
結局、まっすぐ突き進む方向、つまり自分をアーティスト的な見せ方で持っていく方向を選びました。
その方向で突き進むために大事なことは、とにかく作品を作る事だと思いました。
最初はショートフィルムとも思わず、とにかく「作品」撮ろうと思っていたんです。
そして2013年ショートフィルム「ENSEMBLE」を制作しました。
それをいくつかのフィルムフェスに応募したら反応があり、どんどん自分の方向性も定まっていきました。
kuboba-
どの様にフィルムフェスに応募したのですか?また、参加されたフィルムフェスを教えて下さい。
TOOWAⅡ
始めは国内の登竜門というサイトから始まり、海外のフィルムフェスに応募するようになりました。
僕の場合は、主にWithoutaboxとFilmFreewayを使用しています。
また、最近は映画祭自体のWebサイトから直接エントリーすることも多く、
海外の友人も増えて、Facebook等で交流しています。
参加したフィルムフェスは、ニューヨーク、韓国、ロンドン、ベルリン、そしてカンヌ国際映画際などがあります。
kuboba-
上映された作品はどの様な反応でしたか?また、海外のフィルムフェスに参加する日本の方は多いのですか?
TOOWAⅡ
僕は実験的な内容の作品を作っているので、「空振り」か「ホームラン」のどちらかです。
あえて、コンセプチュアル・アートを制作しました。
なぜならフィルムフェスは、2000本以上の応募件数があり、尖った作品でないと埋もれてしまいます。5秒間も見てもらえない世界なんです。
海外のフィルムフェスに参加する日本の方は少ないです。 やはり渡航費や滞在費などのお金の問題と語学力の問題があるようです。 ただお金に関してはユニジャパンという団体から助成金がでるケースもありますので、興味のある方はぜひ調べてみてください。
kuboba-
Webサービスを活用してフィルムフェスに参加しているんですね。
そんな監督が、今後IT、Webサービスに望むことはありますか?
世界各地のフィルムフェスで活躍するTOOWAⅡ監督が求めるITサービスとは?
TOOWAⅡ
中国語の翻訳もうちょっと何とかしてほしいです(笑)
中国のフィルムフェスや中国の方向けに映像を制作する際、中国語の翻訳機能がもっと発展していたらいいのに!と思うことがよくありました。
中国はスケールが違うので、「Youku」(中国版YouTube)とかうまく活用していきたい!と思っています。
それから、世界中の優れた映像作品を紹介するポータルサイトや、ショートフィルムを課金して閲覧できるようなサイトがあれば、おもしろいと思いますね。
kuboba-
最後にご自身の作品を制作する上で最も大切にしている事を教えて下さい。
TOOWAⅡ
クライアントから依頼された業務以外で、自分の作品を撮る時に大切にしている事は、
「人の言う事は絶対に聞かない!
「全ての責任を持って制作する!
ということです。
この2つを大事にして撮ることによって、導いて行かなければいけないと思っています。 導くというのは見せる(上映)する事によって関わってくれた人の仕事を多くの人達に伝える、 ということです。その為には、深い洞察力と見極めが必要です。
kuboba-
導くための深い洞察力と見極めですか。
そんなTOOWAⅡ監督が作られた映像是非見てみたいです。
TOOWAⅡ監督、本日はありがとうございました!
今回インタビューにご協力していただいたTOOWAⅡ監督ですが、今週土曜日7/30(Sat)に渋谷のWOMBにてVJをします!
詳しくは、下記ブログでご確認ください♪
VJ TOOWAIIのPARTY! VISUAL!! ACTION!! vol.02TOOWAⅡプロフィール
TOOWAIIと書いてトウワツーと読む。 映像作家であり、VJである。ストリートダンサーを経て独学で映像制作、VJを始める。 POPでカラフル、そしてリズム感あふれる映像は、活動当初から映画監督の中野裕之やLUNA SEAのSUGIZOといったアーティストから評価される。14年には監督した短編映画『ENSEMBLE』がロンドンのRaindance Filmfestivalを始め、NY,Washington,Seoul,Bucheon,Berlin,そしてカンヌ国際映画祭ショートフィルムコーナーに選出される等、海外でも評価されている。 現在、新作映画を準備中。
受賞歴
- 68th Festival de Cannes Shortfilm Corner Selection
- 19th Bucheon International Fantastic Film Festival Official Selection
- 22th Raindance Film Festival Official Selection
- 18th Brooklyn International Film Festival Official Selection
- 2nd Annual International Film Award Berlin HONORABLE MENTION
- 14th Annual Seoul International New Media Festival Official Selection等
次回はショートフィルムから長編ムービーまで幅広く出演されている女優さんに映画に関する想い、IT活用術などをインタビューします。 どうぞお楽しみに!
過去の「ショートフィルムとWebサービス」に関する記事はコチラから。
ショートフィルムとWebサービス①
ショートフィルムとWebサービス② ~フィルムフェスとは?~
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